【こんな症例も治りますシリーズ 783】『 犬の急性膵炎? が治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、ワンちゃんが膵炎の時の『 昔からお祈りポーズ 』と言われている姿勢です。

 

 

犬 ミニチュアダックス 10歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 朝から何度も吐いていて、ぐったりして元気がなく、ご飯も一口も食べませんでした 】と言う事で、飼い主さまは心配になって、すぐに病院へ連れて来られました。

 

 

 

◆◆ 診察室では、少しお腹をかばうように背中を丸め、触診すると強く痛がる様子がありました。

 

 

 

■ そこで、実施した検査とその結果は:

 

 

 

・ 血液検査  :  膵炎マーカー(cPLI)が高値、炎症マーカーも上昇

 

・ 超音波検査 :  膵臓が腫れて、周囲の脂肪組織に炎症のサイン

 

・ レントゲン :  腸管ガスの変化はあるが、異物はなし

 

 

■ これらの結果から急性膵炎と診断しました。

 

 

 

 

◆◆ 治療

 

 

■ 膵炎は、点滴で膵臓を休ませることと膵炎の炎症を抑えることが一番大切です。

 

 

・ 輸液療法:脱水を補正し、血流を改善

 

・ 鎮痛薬:お腹の強い痛みを和らげる

 

・ 制吐薬:嘔吐をコントロール

 

・ 必要に応じて抗菌薬を併用

 

■ 治療中はご飯を少しお休みして、膵臓をしっかり休ませました。

 

 

 

 

 

◆◆ 経過

 

■ 治療を始めて2日後には少しずつ元気が出てきて、嘔吐も止まりました。

 

 

■ 3日目には流動食を少しずつ口にし、食欲も回復。 退院後は低脂肪の療法食に切り替え、再発予防を続けています。

 

 

 

 

◆◆◆ 飼い主さまへのお願い

 

 

■ 急性膵炎は、

 

 

・ 高脂肪のおやつや人間の食べ物

 

 

・ 肥満

 

 

などがリスクとなります。

 

 

 

 『 急に吐いた 』『 ぐったりしてご飯を食べない 』そんな時は膵炎のサインかもしれません。 

 

 

 

早めの受診が大切です。

 

 

 

 

 

◆◆◆ まとめ

 

 

■ 今回のケースも、早めに病院へ来ていただいたことで回復できました。

 

 

■ 急性膵炎は早期発見・早期治療が命を救う病気です。

 

 

■ 日頃から食事管理や体重管理に気をつけて、大切なワンちゃん・ねこちゃんを守ってあげましょう🐾

 

 

 

 

 

★★★ 当院には、遠方からも『 膵炎のセカンドオピニオン診療 』に来られて、治りにくい膵炎の治療を『 当院の特殊膵炎治療 』で良くなっている子が大勢います。

 

 

 

■ 治らないのであれば、一度治療方針を見直すのも良いと思います。

 

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

 

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